
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
「お祖父さま、これは」
弾かれるように顔を上げると、祖父の笑顔がそこにあった。
「それが崔氏本家の当主夫人に代々、受け継がれる家宝だよ。そなたはもうトスと婚約し、いずれは当主夫人になることが決まったのだ。そなた以外にこれを持つ者はおらんだろう?」
キョンシルは今も肌身離さず身につけている翡翠の首飾りをそっと外した。母ミヨンが今際の際に託した翡翠の首飾り。
今、長い年月を経て漸く三つで一つといわれる伝説の家宝がここにすべて揃ったことになる。
イルチェがしみじみと言った。
弾かれるように顔を上げると、祖父の笑顔がそこにあった。
「それが崔氏本家の当主夫人に代々、受け継がれる家宝だよ。そなたはもうトスと婚約し、いずれは当主夫人になることが決まったのだ。そなた以外にこれを持つ者はおらんだろう?」
キョンシルは今も肌身離さず身につけている翡翠の首飾りをそっと外した。母ミヨンが今際の際に託した翡翠の首飾り。
今、長い年月を経て漸く三つで一つといわれる伝説の家宝がここにすべて揃ったことになる。
イルチェがしみじみと言った。
