
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
「そなたの母も長らく家宝の一つである翡翠の首飾りの持ち主だった。キョンシル、間違いなく、この家の系譜には儂の息子としてチソンの名が、そして、その妻としてミヨンの名が記載されるはずだ。今となっては儂にしてやれるのはこの程度のものだが、許してくれ」
「お祖父さま、ありがとうございます」
キョンシルは祖父に向かって深々と頭を下げた。涙が込み上げて、視界が曇って祖父の顔が見えない。
そう、かつて国王の懐刀といわれ、天下のイルチェといわれた偉大な政治家であったこの老人こそが―我が身の、キョンシルの祖父だった。
「お祖父さま、ありがとうございます」
キョンシルは祖父に向かって深々と頭を下げた。涙が込み上げて、視界が曇って祖父の顔が見えない。
そう、かつて国王の懐刀といわれ、天下のイルチェといわれた偉大な政治家であったこの老人こそが―我が身の、キョンシルの祖父だった。
