
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第3章 旅立ち
「別に俺は聞かなくても構わないんだぞ? そなたが不当な方法で入手するはずがないと判っているからな。恐らく、そなたの手許にあるべき品ゆえ、そこにあるのだと思っている」
「そういうわけにはゆかないわ。やっぱり、ちゃんと話しておかないと」
「何故なんだ? どうして、急に話す気になった?」
トスが訝しげな視線を向けてくる。
キョンシルは淡く微笑した。
「だって、私たちは、これからしばらく一緒に旅をするんでしょう。それに、おじさんは私のお父さん代わりでもあるわけだしね。だから、隠し事や秘密は良くないと思い直したの」
「そうか、そうだな。俺とそなたは何しろ、義理ではあるが、一応、親子だ」
「そういうわけにはゆかないわ。やっぱり、ちゃんと話しておかないと」
「何故なんだ? どうして、急に話す気になった?」
トスが訝しげな視線を向けてくる。
キョンシルは淡く微笑した。
「だって、私たちは、これからしばらく一緒に旅をするんでしょう。それに、おじさんは私のお父さん代わりでもあるわけだしね。だから、隠し事や秘密は良くないと思い直したの」
「そうか、そうだな。俺とそなたは何しろ、義理ではあるが、一応、親子だ」
