
真っ赤な家庭
第3章 取調室
「別人のようにってどのような感じだったのですか?」
「声がね、以前は甲高い感じの印象的な声だったんだけど、今は落ち着いた感じの声だったわ。」
別人だ、社長は一体誰なんだ。
「ありがとうございます、ところでお宅に大きなハサミってありますか?」
「大きなハサミって…」
「これだけの広い庭なので、業者でも呼んでますよね?」
何がなんだか分からい感じで、
「はい、これだけの広さがあると流石に主人がいましても無理ですから。」
ハサミは届かないのかと思ったときに
「そう言えば、古くからの昔ながらの業者さんで、刈り込み用の大きな選定バサミ があったわ。本当に大きなハサミで危ないから近づかないで下さいって、言われたの。」
「そこの業者紹介して頂いてもよろしいですか?」
「はい、どうぞ。
こちらが住所と電話番号ですよ。」
親切に教えてくれた。
これで手掛かりはつかめた。
中村と倉敷妙子について調べることにしよう。
