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真っ赤な家庭

第3章 取調室



倉敷妙子の家に行った。



庭の花壇が美しく整っていて、金木犀のオレンジ色が鮮やかだったが雨で散りかけていた。



ゆっくり紅茶をいれながら

「今日はなんですの?」


「家族写真で少し気になったことがありまして。」



「何かしら?」



「息子さんの写真が一枚も飾って無いのは何故かと思いましてね。」



「はぁー。」と深いため息をついて


「息子はいきなり家が嫌になって出て行ってしまったんです。」


「一応まだ未成年ですよ、居場所は分かるんですか?」



「あの子が何処で何をしようと私には関係ありません。
勝手に家を出て行ったのですから。」



「捜索願いは?」


「出してませんよ、こんなこと周りに知られたら一家の恥だわ。」



「閉まってはあるんですよね?」


「全て捨てましたわ、私達はあの子と縁を切ったので。
もう聞かないで頂けます。」



いくら縁を切ったとはいえ、未成年…
心配では無いのだろうか。



いきなり出て行くのは何かしらあったのだろう。


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