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甘いキスを永遠に

第56章 出産

なのに横になったら少しウトウト眠ってしまった。


強烈な痛みがきて目が覚めた。


すると元哉がベッドの横に座って、心配そうな顔で私を見ていた。


「ごめんね、遅くなって」


「ううん…まだまだらしいから」


うおおっ…


私が顔を歪ませると、元哉は腰をさすってくれた。


「麻実ちゃん、息吐いて」


ふう…ふう…と吐きながら痛みが通り過ぎるのを待った。


「ありがとう」


「頑張ろうね。俺がいるから、安心して」


そう微笑んでくれたから嬉しくて安心した。


しかし甘かった。


陣痛の痛みは、人格をも変える。

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