
雨の中の君へ。
第4章 星。
散歩から帰ってきた伯父さんから茶器をもらって、すぐ東京の自宅に帰り、予定を早めて長野に出発した。早く仕事を始めたかったから…
日曜日と3日間、とにかく動いた。5日分の取材を3日で終わらせることができるよう、早朝から夜走り回り、夜は夜中まで取材の記録をまとめた。
やればできるもんだな…。
有名な善光寺と八幡原史跡公園を巡り、周辺の取材が終了したのは午後8時。明日はタケルに会える。
どこかで美味しいものを食べてホテルに帰ろうと思ったら、タケルからメールが入った。しかもあの夜以来だ。
「今日にしよう。ホテルはキャンセルして。夜10時に長野駅前で」
途端に胸が高鳴り出す。
慌ててホテルに帰って荷物をまとめ、ホテルの人に適当に理由を付けてチェックアウトする。
もともと3日目からはキャンセルしておいたんだけど…
もう10時前だ。タケルどうするんだろう?
ほんとに来るんだろうか。
駅のバスターミナルで待つ。
