
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第13章 この先、何があろうと
「あの。息子さんが大切なんですよね。」
あたしがそう言うと、驚いたように笑った。
ずっと引っかかっていた。
お父さんはあたしと結婚するのを駄目だと言った時にも、不思議と優しさを感じた。
だから本当は大切なのに、不器用だから表現出来ないんじゃないのかって思った。
「そうなのかもね。彼にはちゃんとした娘と結婚して欲しかった。
ちゃんとしたっていうのは、勢力とか財力とかじゃなくて、本人を見てくれる娘。
だから、流されて欲しくなかったけれどね。
・・・あんな風に笑う息子は初めて見たよ。」
「あんな風に?」
あたしがそう言うと、また笑った。口元がやっぱり似ている。
