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第8章 過去と現在



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バタン…



深夜遅く、玄関のドアが閉まる音がした。



「…ユキ?」



リビングにいた拓哉は、ドアを開けて声をかける。
が、ちょうど洗面所に入っていくユキの後ろ姿しか見えなかった。



「ユキ、おかえり。遅かったな?」

「…」



返事がない。
洗面所のドアノブを回そうとすると、



「開けないで!」



ユキの鋭い声が響いた。





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