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第8章 過去と現在


「…おっと、もうこんな時間か。長居したな」

「陸斗さん…」

「ん?」

「僕にアドバイスしたこと、いずれ後悔するかもしれませんよ」



僕はメガネを押し上げながら、陸斗さんに向かって微笑む。



「…ああ、そん時はギター弾きながら腹踊りでもしてやるよ」



フンと鼻で笑いながら、陸斗さんは部屋を出て行く。
僕は廊下に出て、彼の背中を見送った。
扉を閉めようとすると、ふと廊下の壁にもたれていた中年の男性と目が合う。



「いいねぇ~、お前さん今…すっげぇ、いい目してるぜ?」



彼が誰なのかは…
この時僕はまだ知る由もなかった。






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