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第7章 芽生えた感情と嫉妬


それを察してか、高藤さんがフッと笑う。



「…しょうがないな。じゃあ、お風呂から出たら少しやろうか?」

「やった」



オレがすぐに笑顔になると、高藤さんはクスクスと笑った。
そして棚の引き出しから何かを持ってくる。



「この部屋の合い鍵、持ってて」

「えっ…」

「明日朝早いんだ。だから、卓也くんの好きな時間に帰っていいから」



そう言って高藤さんは、オレの右手に合い鍵を握らせた。



「ギター弾きたかったら、いつでも来ていいからね。あ、連絡だけは入れてね?」

「ありがとう…ございます…」



オレはギュッと合い鍵を握り締めた。




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