『同じ場所～君と僕の見ている風景～』第13章「その日」　111ページ

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同じ場所～君と僕の見ている風景～

第13章その日

美保side

キミは座った体勢で、あたしを上に乗せた。

久しぶりにキミを感じる。

皆のキミは、今だけあたしのモノになる。

「愛してんぞ…」

キミが言った。

やめて……

終わらせられなくなる。

キミを……皆の元に帰せなくなる。

あたしは、行為に集中し、聞こえない振りをした。

キミは、あたしを下にして、記憶に閉じ込める様に見た。

あたしは、髪を撫でながら

キミの名前を呼んだ。

あたしも……愛してるよ…

「ん…？」

答えるキミに、首を横に振ることしか、出来なかった。

愛してるを聞こえない振りをする。

これが…あたし達の…

恋だった…