
神籬の内
第1章 荷物
閑古鳥が鳴く室内にすることもなく、とりあえず貯めに貯めていた書類たちを前に諦めの境地のように向き合う男がひとり。彼は、伸ばした髪を後ろに括り筋肉質な長身を使う探偵という建前のなんでも屋のような仕事を請け負っている『ラブイズパワー』というそのパワーは本当にその意味でいいの? と聞かれることも多々ある古賀晃。両親ともに医療従事者という家庭で産まれはしたが、愛人という立ち位置である母の古賀を名乗っている。父親の方の家柄事情ではあったらしいが。記憶がある限りずっと疲れたと言いながら家に戻ってくるので、普通の家だと信じていた時期もあった。
現在はそんな家を出て、父親の故郷だという神籬市で生活している。ここはちょっと面白い街で、三回に一回は父親でも方向音痴になるという事実。俺が個人的に入ってもなんともなくて、家が嫌で飛び出した訳ではないが。たぶん、甘えていた結果が現在なんだと思う。元々は東京でそのまま働くつもりでいたが。――どうも東京とは相性がいいと思えず、一人でこの場所に訪れて改めて思ったのは。『落ち着く』という感想だった。
現在はそんな家を出て、父親の故郷だという神籬市で生活している。ここはちょっと面白い街で、三回に一回は父親でも方向音痴になるという事実。俺が個人的に入ってもなんともなくて、家が嫌で飛び出した訳ではないが。たぶん、甘えていた結果が現在なんだと思う。元々は東京でそのまま働くつもりでいたが。――どうも東京とは相性がいいと思えず、一人でこの場所に訪れて改めて思ったのは。『落ち着く』という感想だった。

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