テキストサイズ

孤独を埋めて、満たして

第1章  孤独を埋めて、満たして




だけど── 全然、温かくないんだ。


誰を抱きしめても、頭に浮かぶのはあいつの瞳と、頬に触れた手のひらの熱だけ。

他で誤魔化そうとすればするほど、俺の内側の空白は、あいつという存在でしか埋まらない形に変わっていく。

あいつがいないと、凍え死にそうだった。


そんなある日、教室であいつが他の男子から連絡先を聞かれている姿を見てしまった。

その瞬間、頭の芯が真っ白になった。


胸の奥からドロドロとした黒い感情が、嫉妬が、独占欲が暴れ出す。

あいつは俺の全部を見抜いたくせに、なんで他の男にそんな顔を見せてるんだよ。


気づけば、放課後の図書室に一人でいたあいつの前に、俺は飛び込んでいた。



「…何の用?」



持っていた資料を奪い取り、机に叩きつける。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ