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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第4章 飽食の時。佳代(1)

薬局の真向かいにある洋食店の明かりが、閉店後の薄暗い店内に柔らかな橙色を落としていた。

シャッターが下りた午後7時過ぎ。

私は白衣をまだ着たまま、調剤台の上で一日の終わりを記す管理記録簿を書いていた。心臓の鼓動が今日は少し速い。いつもの仕事終わりには、すぐに帰宅の途に就く彼女は今日は店内に残っている。

佳代は私とほぼ同年代の40歳を過ぎた熟女だ。事務員として3か月程度ここで働いている。胸元を包むブラウスは未だ見ぬ乳房の形を形作り、腰のラインが熟れた果実のように柔らかく強調される。

長い黒髪は艶めいていて、目尻の小じわが笑うたびに優しく刻まれる。その微笑みは、甘く、淫らで、男を狂わせる。

「先生、今日も遅くまでお疲れ様です……レジ金、合いました」

彼女の声が、背後から低く響いた。甘い吐息のような響き。振り返ると、白衣を脱いだ佳代がレジ締を終え、こちらに近づいてくる。

パンプスの音がタイルの床に小さく反響し、淡い香水の匂い――ジャスミンとムスクの混ざった、熟した女の匂いが鼻腔をくすぐった。

「佳代さん…お疲れ様。さあ、それでは飲みに行きますか」

私は跳ねるような声で言った。彼女は微笑みながら私の傍らに立ち、調剤台の端に腰を寄せた。私の指が自然と彼女の手に触れる。温かく、少し湿った掌。彼女の指が絡みつき、軽く握り返してきた。

「ええ、知っています。……その後もお付き合いしますわ」

祇園四条駅から少し歩き、人影もまばらな路地をいくつか曲がりながらホテルに着いた。ホテル入口は街灯の柔らかな光で照らされている。ロビーの大理石の床に萌黄色の照明が反射し、空調の微かな風が清潔な匂いを運んでくる。

私は佳代の腕を優しく支えながら、エレベーターに乗り込んだ。彼女の体はワインの熱で火照り、甘いアルコールの残り香と、熟れた女の体臭が混ざり合って鼻腔をくすぐった。

「先生……本当に、今日はありがとう。こんなに飲んじゃうなんて、久しぶり……」

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