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夏山花梨の日常

第1章 プロローグ

 目が覚めたら何もない真っ白な世界にいた。

 先ほどまでインターネットで気になる記事を模索していたところだったのに。


「……可哀想に」

 奥から声が聞こえてくる。

 しばらくして現れたのは、髪の長い女性だった。ただ、その髪も着ている服も白だったので、私はまず自分を疑った。

 こんな世界がある訳がない……きっと、どこかに出口があるはず……!

 そう信じて走り出す。右も左も今自分が走っている方角も分からない。それでも、ひたすら必死に走った。

 やがて何処に向かっているのか分からなくなり、走るのをやめた。

「そこにいたの。いくら走っても無駄なのに」

 先ほどと同じ女性の声だ。後ろの方から聞こえる。まさかつけてきたの? 全然、足音しなかったのに。

「こ、ここは何処なの! 貴方は一体、誰なの!!」

 怖くて後ろを振り向けず、女性と対になりながら声を振り絞った。

「そう怯える必要はないわ。たった1週間の入れ替えだもの」

「入れ替え……? ふ、ふざけないで! 私は百科事典を毎日読んできた学生なのよ!」

 まだ読みたい記事だって、沢山あるのに。

「あら残念、頭がよくても此処から抜け出すことは不可能なのよ悲しいわね。1週間したら戻ってくるから安心しなさい」

 ボワッ……。

 ……行っちゃう!
 そう思い、後ろを振り返り「待って!」と叫ぶ。しかし、そこに残っているのは何もなかった。
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