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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第3章 千堂 皐月

入学式。

体育館に全校生徒がすし詰め状態で収まっている。

皐月は自身の担当するクラスの生徒を見ていた。

ブランク持ちの二十歳の男子高校生。白瀬刹那を探していた。

(ここには来てなさそうね……)

彼女は体育館を脱出して、教室へ向かう。

誰もいない教室の机の上にカバンが置いてある。

(彼のカバンかしら?)

本人確認のため、カバンの中を開けてみる。

筆記用具とコーヒー牛乳の紙パックが入っていた。

(……)

皐月は特例事項を思い出し、校長室へ向かっていた。

校長室のドアを開けると、応接室のソファで煙草を吸う男子生徒がいた。

「探したわよ。白瀬刹那くん」

「誰?」

顔を上げる刹那。皐月は彼の顔を見た。

(もっと暗い子かと思ったけど……)

「3年A組担任、千堂皐月よ」

「皐月センセ、よろしく」

二十歳だといわれなければ、高校生でも通りそうね。

「……喫煙は放課後だけって聞いていたわよ」

「それは建前」

タバコをもみ消し、立ち上がった彼と一緒に歩いてみると、体つきは大人の男らしさを感じた。

「コレ、食べなさい」

皐月はフリスクを彼に渡した。

「細かいな」

「エチケットよ」

「はいはい」

役員決めも割とスムーズに決まり、ホームルームを終えて解散となった。

(白瀬くん、美化委員になるなんて、偶然かしら)

美化委員は皐月の顧問だったからだ。

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資料室でひと作業終えた皐月は、廊下の先でキョロキョロしながら歩いている刹那を見つけた。

「白瀬くん」

「皐月センセ」

皐月に気がついて、安心したように近づいてくる。

「……どこに行くの?」

「ここの学食、美味しいって聞いたから食って行こうかと思って」

学食は来週からだと伝えると、あからさまにガッカリしていた。

ランチに誘うと嬉しそうに着いてきた。

(今日だけよ。特別扱いするのは……)

一緒に食事をして分かった。

彼は高校二年生で時が止まった男の子のままだと

実際二十歳だから、カッコつけて煙草吸ってるのかしら?

遅い反抗期ね。

皐月は白瀬刹那をそう判断していた。

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