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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第12章 ビジネスホテル

莉子たちがいなくなったワンルームの静けさに耐えかねて、
煙草を吹かしていると苑子から逢瀬の予約が入った。

刹那はメッセージを眺めながら苦笑していた。

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了解

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彼は短い返信を返した。

翌日。

「おはよう、刹那くん。はい、コレ」

刹那の前にノートを差し出しながら莉子はニコニコしている。

「おはよう。なにこれ?」

「昨日いってた、古典と日本史のまとめノート」

「えぇ、もう作ったの! 早っ」

ノートを受け取る刹那。表紙には莉子の字で『刹那くん救済ノート』と記されている。

「テスト期間一週間しかないし、帰ってから大急ぎで作ったから抜けてるとこあるかもだけど、基本はしっかり分かるよ」

「ありがとう。めちゃくちゃ助かる」

莉子は寝不足だったが、完璧なメイク術で肌や表情から疲労感は微塵も滲み出ていなかった。

さらに昼休みには、杏奈からも『理科まとめ』ノートが刹那の手元に届いていた。

(仕事早すぎだろ女子)

感動に打ち震えている刹那のところにスマホの通知オンが鳴る。

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〇〇駅の□□ホテル609室で待ってます

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刹那は文字を目で追ってスマホを閉じた。

放課後。

帰り支度をして昇降口に向かう。

「刹那」

クラス委員で友人の藍原りくに呼び止められた。

「りくじゃん、なに?」

「数学の参考書。テスト範囲にマーカーでチェック入れてあるから使って、分からないときはいつでもLINEしてよ」

「いいヤツだなリク、師匠って呼んでもいい?」

「ヤダよ」

次の瞬間、ガバッとりくを抱きしめていた。

「刹那!?」

「オレ、頑張るよ」

刹那はなんて言っていいのか分からない感情で溢れかえっていた。

その気持ちを抑えられず、気がついたらりくを抱きしめていた。

トントンと、りくも刹那の背中を叩いてみせた。

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バイクを走らせ、刹那はとあるビジネスホテルに到着した。

エレベーターに乗り、⑥のボタンを押す。

609室

ドアをノックする。

すると内側にドアが引かれて、ワンピース姿の苑子に迎え入れられた。

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