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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第8章 助けて

莉子は洗面台の前で顔を洗って、鏡に映る自分の顔を見ている。

(あぁっ!肌が荒れてる)

彼女は白瀬刹那のアパートで一晩を明かしていた。

メイクもおふろも、歯も磨かずに寝落ちしていた。

(最悪、こんなんじゃ学校に行けない)

莉子はカバンを背負って財布の中を確認する。

「白瀬くん、起きて」

気持ちよさそうに寝ている刹那を揺り起こす。

「んー、なに?」

「お金貸してくれる?タクシー代足りなくて」

むっくりと起き上がり、財布を探す。

「……そっか、昨日の買い物立て替えてくれてたんだ」

刹那は五千円を差し出しながら

「これで足りる?」

「こんなに掛かってないよ」

「じゃ、残りはお駄賃で」

「お駄賃って……」

「帰るの、送ってこうか?」

「病み上がりなんだから、無理しないほうがいいよ」

「タクシー代バカにならないよ」

刹那は立ち上がり上着を羽織って支度を始める。

冷蔵庫を開けて水を飲んだ。

「プリンなんかあったかな」

「それ私が買ってきたの。風邪引いたとき食べたくなるから、白瀬くんも食べるかなと思って」

「へぇ、風邪引くとプリン食べるんだ」

「食べないの?」

「……覚えてない。今、食べていけば?」

刹那はプリンを莉子に手渡した。

「……ありがとう」

刹那は煙草を咥えて火をつけて吸い、フゥっと息を吐いた。

「そういえば、バイクで通学してるのね」

「まあね」

莉子は学校初日の光景を思い出していた。

(カッコよかったな)

「乗せてあげるよ」

「いいの!?」

「うん、看病してくれたお礼」

「白瀬くんも律儀だね」

バイクを駐輪場から出して、莉子に半帽を手渡す。

後部シートに座って、彼の体に抱きつく。

刹那は彼女の手を掴んで腰の位置に下げた。

「もう少し下、じゃあ行くよ」

「はーい」

エンジンが爆音を上げ風を切り走る、莉子は初めての体験。

彼の背中は広くて、思ったより逞しかった。

(刹那くん、ちょっとカッコいいかも)

しばらくして、莉子の住むマンションに到着した。

エンジンを切って停まった。莉子は彼の肩を借りて地面に降りたつ。

「バイク乗せてくれてありがとう。楽しかった」

「また乗せてやるよ。じゃまた明日」

刹那は再びエンジンをかけて、来た道を戻っていった。

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