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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第5章 カラオケ

教室のドアをガラッと開けて、担任の千堂皐月が現れた。

「みんな、着席しなさい」

生徒たちは各々の席に着席する。

クラス委員の藍原が号令をかけて朝の挨拶をする。

「おはよう。さて、来週末からゴールデンウィークになりますが、連休明けから進路相談も兼ねて三者面談があります。また、6月には中間テスト、修学旅行と忙しくなりますが……」

淡々と話す皐月を刹那はずっと眺めていた。

彼女はこちらを見ようとしない。

(チェッ、大人ぶりやがって……)

刹那は彼女の教師としての振る舞いに妙な寂しさを感じていた。

(あれ、修学旅行って言った?)

連絡事項を告げると皐月は教室を出ていった。

刹那は窓際最前列に座る。クラス委員の藍原に声をかける。

「ねぇ、修学旅行ってどこ行くの?」

「オーストラリアに三泊五日だよ」

「ふーん」

「白瀬さんはグループ分け決まってないよね?良かったら僕の班にくる?」

「え、いいの?」

「もちろん。白瀬さん、大人だから安心する」

刹那はちょっと驚いて藍原を見返していた。

「お、大人って……ただの留年生だけどね」

「それは、事情があっての事だから。僕はすごいなって思ってる」

「お前いい奴じゃん、白瀬さんなんて気を遣わないで刹那って呼んでよ」

「じゃあ、僕のことはりくって呼んで」

「りく、よろしく」

「こちらこそ、刹那」

男子の友情が芽生えた瞬間だった。

学食は学年毎に時間が決まっていて、三年は12:15〜13:00だった。

食堂は二ヶ所設置されていて2棟の生徒はA食堂を利用する。

他にも売店もあり、お弁当を持参する生徒も少なくない。

刹那とりくは一緒にお昼を食べることにした。

「りくはクラスのカラオケ行くの?」

「行くよ。初回だし、クラス委員だからね」

「そっか、みんな参加してんの?」

「ほぼ参加してる、45人中40人参加。途中参加もいるし」

「ふーん」

「刹那は参加しないの? 星野がLINE返事ないって心配してたよ」

「ああ、それ今朝言われた」

「気が乗らなそうだね」

「うーん、よく分からない人がいると疲れる気がする」

「みんな同じだよ。だから集まって顔見知りになるんだよ。
ウチの学校生徒数が多いから、せめてクラスの仲間くらい知っておかないとね」

「りく、大人じゃん」

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