こんな通販あったらいいな
第1章 こんな通販ほしい…
「はい、今日も疼き、濡れ、悶々としている全国の奥様方ぁ…
『ジャパンネット萬珍』
の時間がぁ、来ましたよぉ…」
わたしは、子供二人と旦那を小学校と、会社へと送り出し、洗濯物を干し、掃除機をかけ終え、コーヒー片手にテレビの前に座った。
「ふぅぅ…」
それはパート休みの日の、いつもの流れのルーティン。
「みなさまおはようございます、ジャパンネット萬珍の悠里です…
さて、今日の一発目の商品はぁっ」
テレビでは、日本で一番売れている通販番組が始まった。
「貴女をあっという間に夢の世界へと導いてくれるぅ…」
販売キャスターはそう言いながら…
「はいっ『オクノックス』ちゃんですぅ」
と、従来のバイブレータとは弱冠、カタチ、形容が異なるシリコン製品を手に持ち、指を指し、画面いっぱいに写してきた。
「オクノックス、読んで字の如くぅ、オクをまるでノックしてくるかのような振動をしぃ」
そしてキャスターの顔をアップにし…
「貴女を瞬く間に夢の快感の世界へと導いてくれるぅ、人体工学研究に基づいた夢の新型バイブレータですぅ」
そのテレビ画面に釘付けになり、思わず魅入ってしまう。
「わたしもぉ絶賛愛用しています、正に逸品といえるモノっ」
そして画面一面アップになり、値段と通販用電話番号が表示され、背後では、一斉に電話コールの鳴り響く音とオペレーターの受け答えの声が騒めき始めてきていた。
「今日は特別に、オペレーターを増員しまして、しかも今から約一時間、数量限定特別割引きをしまぁすぅ」
思わずドキドキしてきてしまう。
「はい、さぁぜひこれを買って寂しい夜や、旦那に対するストレスを…
はい、今、テレビを見ている貴女ぁ…
明日の洗濯後の一服の時間が、至福と愉悦の時間に代わりますよぉ…」
ドキっとしてしまう…
だってそれは、まるで、わたしに言っているかのようであるから。
最近旦那が、めっきり弱くなっていた…
逆にわたしは、ますますオンナ盛りの昂ぶりを感じていたから――
「これしかないっ、わたしなんてもう、オトコなんていらないくらいなんですからぁ」
美人キャスターは、少し赤ら顔でそうリアリティたっぷりに言ってくる。
わたしは思わずスマホを手に取る…
「はいジャパンネット満珍です…」
こんな通販あったらいいな(笑)
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