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お題小説第2弾「キミが大好き☆」

第1章 キミが大好き☆

☆☆☆
そして迎えたデート当日。

休日の5月の空はよく晴れている。
家の玄関口で、あたしは家族全員から見送られることになった。

いつも適当にブラシを入れるだけの髪は、きちんと梳かし、亜美が『ハーフアップ』というやつにしてくれた。ちょっとひねりを加えたような可愛らしい髪型になっている。

化粧などしたことはなかったが、これもまた妹から『ニキビ跡隠せ』『チークぐらい入れろ!』などと言われ、リキッドファンデーションやらコンシーラーやらあれやこれや、あたしには全くわからないアイテムで顔を塗りたくられていた。

服も体型が同じ妹のを借りている。
慣れないスカートがスースーする。

極めつけは、メガネである。
彼が前に言ってたのだ。
『俺、ちょい理知的な女の子?そういうのが好きだわ』

理知的=メガネ

あまりにもベタな方程式だけど、これしか考えられなかった。
視力が両目共に2.0の健康優良児の私は、
わざわざ、伊達メガネを作ったわけだ。

亜美とあたしでSNSでガリガリ調べながら考えに考えぬいたデートファッション。
これ以上ないというほどのあたしの格好を、妹が頭の先から足の先まで舐め回すように見る。
「ん、まあ…75点?」
辛口だ。

「あなた!亜紀子が…亜紀子がお化粧を!!」
「ああ、良かった。良かったよ。
 女子力をどこにおいてきたかと心配してたんだ、俺は」
「私はもう、半ば諦めていたんだけど…こんな日が来るなんて」
「亜美に感謝だな」

…いや、失礼すぎるだろ。

「行って来い、亜紀子。
 それでダメならもうしょうがない。」
「そうよ、亜紀子。
 ダメでも、母さん、あなたの好きな焼肉、今日は用意しておくからね」
「おねーちゃん、ダメ元だよ。
 もう失うものなんてないんだから!
 当たった砕けたら、骨は拾ってあげるから!」

…揃いも揃って…

ぐぬぬぬ…と思うが、
今までのあたしがあたしだっただけに、家族を責めるばかりではいられない。

確かに言う通りかもしれない。
もうここまでやってだめなら、脈がないってことだ。

ギン、とあたしは顔を上げた。
いって、やるんだから!

「行ってきます」

肩にほぼ何も物が入らないポシェットを掛けて、
フン、と鼻息をひとつ。

「「「いってらっしゃーい」」」

そんなあたしを、家族が暖かく(?)見送ってくれた。

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