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お題小説第2弾「キミが大好き☆」

第1章 キミが大好き☆

「なあ、健斗」
「あ?なんだ?」
「あたし、あんたのこと…好きなんだよね」

昼休み、いつもの屋上。
弁当を喰うあたし達の特等席。

よく晴れた春の日だ。

何気ない風を装って、
できるだけ、いつもの調子で、
あたしは言った。

『健斗が好きだ』と。

でも、帰ってきたのは…
「は?」

間の抜けたような声と、
若干引きつった顔…だった。

「ぷっ…」
あたしは吹き出してみせた。
「あれ?もしかして本気にした?
 ウソに決まってっだろ?
 誰がバカ健なんか…」

にやりとした笑いも追加だ。

健斗は若干眉間にシワを寄せたように見えたが、
すぐに猛然と言い返してきた。

「ば…っ!バカってなんだ、バカって!
 テメー、中間赤点ばっかのくせに!」
「何をっ!そ…それ今言うか!?」
「今言わずにいつ言うんだ!
 バカって言う方がバカなんだ、
 バーカ、バーカ!」
「きいいっっ!!くやしいっ!!
 バカ健に馬鹿にされたぁ!!」

あたしが叩く真似をすると、健斗が笑いながら逃げていく。
今日も屋上で繰り広げられる、いつも通りのコントみたいなやり取り。

ずっと、変わらない。
10年前から変わらない、あたしと…健斗。

☆☆☆
「ばかばかばかばかばかばか…」
ぼそぼそと呟く。
家族団欒、今日はとんかつ。
そんな中、私の周囲だけお通夜みたいになっていた。

「亜紀子、どうしたの?食欲ないの?」
母があたし用に盛り付けた、大盛りご飯を持ってオロオロしている。
「おい、亜美…お姉ちゃんなんか悪いもんでも喰ったのか?」
父もあたしの様子があまりにも変なので、妹の亜美に小声で尋ねている。

「ああ、お姉ちゃんね、振られたんだって…」
そして、あっさりあたしの傷心の種をバラす、我が妹。

「おまっ!亜美!それ言うなっつっただろ!」
いきり立つあたしを前に、父と母があからさまにホッとしたような顔をした。

「あーはいはい…」
「なんだ、またか」
「おとーさん、ソース取って」
「ほら」
「あなた、ご飯これくらいでいいかしら?」

当たり前のように過ぎゆく食卓。
あたしの心の傷なんてお構いなしだった。

「ちょっと!みんなして、何さ!!!」
柔らかな思春期のハートに、もう少し、もう少し温かい言葉があってもいいのではないだろうか?
『大丈夫?』とか『話聞こうか?』とかさ!

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