子猫クロワサンス(最終回)
第3章 子猫プレザン
仕事を終え――…
待ち合わせの場所に向かう―――…。
定時に終わり、指定した場所に向かうと見目麗しいスーツ姿の男性が優雅にコーヒーを飲む姿が遠くからでも見えた。
背も高くなり、あの可愛らしいユナ君ではなくなったが…あの美しさは彼である。
「ごめん、待った?」
カフェに入り、ユナに声をかけると嬉しそうにこちらを向いた。
「ううん…待つってほど早く来てないから」
声変わりもしている…声が高くない。でも、低くもなく…見た目と合った美しい声だった。
「ユナ…元気だった?」
「うん――…啓二さんも元気だったみたいで…」
それから、ユナはあの日…別れを告げたことを謝り…幼さゆえの身勝手な行動に後悔と謝罪の繰り返しだった。
そして、度重なるトラブルと余裕のなさで連絡手段を失ったこと――…重役特権で俺を見守っていたことを知った。
「え?高校時代…大学時代…ずっと?俺が…オッサンになっていく様を観察していたってこと?」
「ごめんなさい…驚いたよね?それに、オッサンなんかじゃなかった!日々かっこ良かったよ!」
「お、おう…ありがとう」
「それに、啓二さんが結婚したら……ご祝儀めちゃくちゃ奮発しようと思って……お年玉とか貯めていたんだよ…何で…結婚しなかったの?」
「――それは…って!え?知ってたの!?俺が…こういう相手を作ってたってこと!」
ユナは申し訳なさそうにうなずき…うつむいた。
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