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お題小説第9弾『蒼い夏』

第1章 蒼い望月

 3

「違うわ…」

「あ…の、ゆ、悠里さんを…
 の、覗いて……ましたぁ…………」

「………そうよね」

「は、はい、ご、ごめんなさい」
 思わずボクは、謝ってしまう。

「あらぁ…何で謝るの?」

「え?」

「どうして謝ってくるの?」

「え、あ、そ、それは、その…」

「ただ、覗いてただけなんでしょう?」

「う、あ…」

「お風呂上がりで、縁側で涼んでたわたしを覗いてただけなんでしょう?」

「え、あ、う…」

 ボクはさっきよりも、かなりドキドキと高鳴らせてしまう…

 だって――

「違うわよねぇ?」

「え…」

 だって、そう言う悠里さんの目が…
 もっと妖しく…
 そして、艶やかに光って見えたから――

「謝るってことはさぁ」

「………」

「覗きながらさぁ…」

「………」

 ドキドキ…
 と、胸が、破裂しそうに高鳴ってきた。

「なにか…」
 悠里さんが、その艶やかな目で、見つめてくる。

「………」

「なにかぁ、覗きながらさぁ…」

「………」

「悪いことを…してたんじゃないのぉ……」

「……っ」
 
 ズバリ……だった。

「わたしのお風呂上がりの姿を見てさぁ…」

 お風呂上がりの姿を――

 初日、一昨夜はTシャツに短パンだった…

 昨夜は、タンクトップに短パン…

 そして今夜は、黒いキャミソールの上下…
 そう、それは、ボクから見たら…
 まるで、下着…
 大人の魅力溢れる、艶やかな下着姿――

「なんかさぁ、悪いことをさぁ…」
 悠里さんが、微かに意地悪気な笑みを浮かべ、見つめ…

「………」

「わたしでさぁ…悪いことをしてたんじゃないのかなぁ?」

「……っ」

 その目から、逸らせない――

「ふ…こんなオバさんでさぁ……」

 そう逸らずに見つめ…
 妖しい笑みを浮かべ…
 スッと、脚を横座りに伸ばしてくる。

「……」
 思わず、その脚を、いや、その脚から目が離せない――

「ふぅん、脚が…」

「あ…」

「やっぱり…脚が、好きなんだぁ…」

「え?」

 やっぱりって……

「ねぇ…」

「あ…」

「こっちに、おいでよ…」

 悠里さんの手が、伸びて…

 ボクの肩に、触れてきた――

「さぁ、こっちに…」

 そう囁く悠里さんの美しい顔が…

 蒼い月明かりに…

 白く、輝いて見える。


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