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陽が沈む湊、陽が昇る湊。

第10章 ♡マーク

「バカ湊!」

「……ごめん」

日陽のあまりの剣幕に、湊はたじろいでいる。

「バカ、バカ、恥ずかしい」

「……」

オレは確かに、浅はかだったけど……

そんなに怒らなくてもいいじゃないか。

彼はしゅんとしていた。

今日だって、お預けなのに……。

湊は立ち上がって二階へ上がっていく。

着替えて居間に降りてくると、洗い物をしている日陽に声をかけた。

「出かけてくる」

日陽は返事をしなかった。

少し不貞腐れながら、湊は車に乗って走り去っていた。

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モヤモヤした気持ちを抱えたまま、あてもなくドライブする湊。

気づくと海岸沿いを走っていた。

お気に入りの洋楽を流し、海を見ながら向かった先は

日陽と来たことのある、カフェレストラン。

そこで、おそい朝食を食べる。

日陽、まだ怒ってるかな……。

窓の外に見える海を眺めて、彼女のことを考えていた。

一緒に暮らしてから、泣かせたり、怒らせたりしてるな。

付き合う前はいつも笑っていたような気がする。

何が変わったんだろう。

チクチクとした思いを飲み下すように、コーヒーを飲んでいた。

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日陽は一人でテレビを見るともなしに流していた。

画面の向こうで、MCとコメンテーターが笑いながら話している。

湊のバカ……。

あんな恥ずかしいカレンダーに気付けないくらい多忙だった。

毎日の仕事に、家事、急な残業……いつもヘトヘトだった。

湊だって、疲れているのに、♡マークみて
いつ二人で過ごせるか楽しみに仕事頑張っていたのかもしれない。

怒り過ぎちゃったかな?

今日も♡マーク付いてた。

でも、生理のせいで仲良くできなくて、

仕方ないんだけど……湊も我慢してる。

付き合う前なら、悩まないことだったのにね。

いつも優しくて、わがまま聞いてくれて、

そばに居てくれるだけで、良かったのに、

今はそれだけじゃ、足りない気がする。

どうして近くにいるのにこんなに切なくなるんだろう。

日陽は膝を抱えて、顔を埋める。

湊、苦しいよ……。




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