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陽が沈む湊、陽が昇る湊。

第7章 湊の一日

「湊! すまんが今からすぐ署に出頭してくれ!」
 
隊長からの入電。

「……了解、直ちに出頭します」

通話を切って、俺は小さくため息をついた。

最悪だ。本当に、なんで今なんだよ。

「ごめん日陽。呼び出された」

「こればかりは仕方ないよ」

オレは着替えの入ったバッグを掴んで、玄関で靴を履きながら振り返る。

「いってくる」

「気をつけて」

玄関のたたきに立つオレと上り框の上に立つ日陽。

視線が同じ高さになる。

二人は顔を寄せ合いキスをした。

「ごめん。明日の公休も潰すかもしれない」

「うん、私は大丈夫だから、気にしないで」

繋ぐ手が心許ない。

名残惜しそうに指が離れた。

現場の化学工学は激しく燃え盛り、黒煙が立ち上っている。

鎮火の目処が立たなかった。

解放されたのは翌日の昼前だった。

家に帰ると、日陽の姿はなかった。

誰もいない我が家は冷たく静かだった。

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夕方。
日陽を迎えにいっている車中で携帯が鳴った。

「湊……。ごめん。今どこにいる?」

「ミニで病院に向かってる」

「私、今日帰れなくなちゃった……本当にごめん! もう行かなくちゃ、湊、ごめんね」

そういって、通話は切れた。

はぁ、自分でも驚くほど大きなため息をついていた。

「日陽も頑張ってる。誰も悪くない」

そんなこと、百も承知だ。

このまま一人で家に戻っても、誰もいない部屋で日陽を待つのは、正直かなり寂しい。

オレはスマホを助手席のシートに投げ捨てて、運転席のシートを傾けた。

「……日陽」

スマホを拾い上げ、ダメ元で電話をかけた。

10コール目で相手と繋がった。

「もしもし、今何してる?」

「湊? まだオフィスにいるよ」

義弟の凱に助けを求めていた。





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