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第1章 佑希と亮


初めは好奇心だった、気付けばどんどん増えたピアスの数。
イコール彼への、佑希へ募らせた想いと重なっていた。

同時に幼馴染みの枠から、何も出来ずにいる私への罰だ。


「いったぁ……」

佑希と別れて講義を受けるも、耳の痛さに単位どころじゃ無かった。
昨夜セルフで処置したばかりのピアスホールは、じくじくと熱を帯びて憂鬱にさせてくる。


机に突っ伏すとジャリっと耳に響く、金属の擦れる音。
そろそろ不毛な事は止めるべき?

×××

それから数日後、あれ程痛みに耐えていたのに、排除されてしまったピアス。

だから、もう一度やってしまった。

「やっぱ、痛い」

講義終わりに、佑希からのLI●Eが入っていた。


「亮、待った?」

「大丈夫。用事って?」

屋上の開放スペースには、私より遅くやって来た。
少し風が強く、今は私達しか居ない様子。
その所為だろうか、緊張して落ち着かない。

「亮、口開けて」

「んっ……?」

カコンと、口腔で音がする。
鼻に抜ける清涼感に、少し眩暈をおこしそうになった。

「あ、ミント……飴?」

「そ、痛み和らぐかなって」

「ふ……あははっ佑希らしい」

「そう?」

「うん、悪くないかも。ありがとう」

「ね、まだ空けるの?」

「佑希?」

「もう、限界だろその耳。悲鳴上げてるし」

口腔の冷感とは反対に、ドクドクと脈打つ耳。

「何か悩み事とかさ、あるんじゃない?」

「え……」

するりと、彼の長い指が私の指に絡む。

「痛々しくって見てられないの。本当に、心配なんだよ」

「ちょ、ちょっと、待って」

「俺さ、結構待った方だと思うよ」

「だから、何を……」

「心配事、とかさ。亮って弱音吐かないから」

「だって、カッコ悪い……」


絡んだままだった佑希の指に、力が込もった気がした。
私の声は、風の音に掻き消されたかもしれない。

「亮の事、好きなんだ」

「な!嘘っっ」

「俺が嘘付くような性格じゃ無いの、知ってるだろ」

「だって、す……そんな事!」

「うん、一緒に居られればそれで良いと思ってたんだけど……やっぱり、限界かな」

「何して……離せっ」

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