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SAKURA (さくら)

第6章 八重桜 2 美卯

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「あ……ん……ま、またぁぁ…………」

 わたしは彼に抱かれ…

 何度目か分からない位の絶頂を迎え…

「………ん……ぁぁ…………」

 それは、慶太では感じられない、正に、大人の愛といえ…

「…………………」

 快感の海へと、沈んでいく――

「美卯……」

 彼の腕の中で微睡む、わたしを優しく抱きしめ…

「かわいいよ…」

 わたしの頬を撫でてくる…

「…………」

 わたしは、そんな彼をジッと見つめ…

 撫でてくる手に触れ…

「…………」

 その左手指を掴み…

「…………」

 薬指の指輪に、触れていく。

「あ………」

 すると彼は、逸れずに見つめ…

「…………」

「うん…」

 呟き…

「………」
 
 自ら、指輪を外した――

「………」

「もう…いらない……かな……」

 逸れずに、呟き…

「………」

 コト…

 サイドテーブルの上に置く。

「外して……いいかな……」

「え…あ………」

 わたしも…

 逸れずに…

 見つめ返す――

「もう…しない………」

「あ…あな……た………」

 わたしは、彼に、唇を寄せていく――

 もう、戻らない…

 一緒に、進むだけだ…

 そして、わたしの『サクラ』の香りに、包み込むだけ――

 ふと、窓を見ると…

 春暁に…

 夜空が、紫色に染まっていた。


 季節は、『弥生』から…

『卯月』へと、移ろっていく――



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