春のほどけ…戻れない距離
第2章 「卯月」―揺れと否定
3
「それに、たまに…似た香りも………」
「…………」
そう、呟いた時の、その冷たい目…
そして、含みを持たせた様な声音に…
わたしは、絶句し、小さく震えた。
「めいは……甘えん坊だし……それに…」
「ぇ……」
「耳のあたり……が…………ね…………」
「っ………」
一瞬、息が、止まった―――
「ま……これからも………
色々と…仲良くしてやってくださいね…」
「ぁ……」
その、意味に…
「もお、何話してるのよおっ…
ほらぁ、二人とも可愛いわよぉ……」
膝から崩れそうになった瞬間…
めいが、目の前の小さな背中の二人を指差し…
わたしの腕に絡ませてきた。
「……っあっ……」
そのめいの動きと声に…
ハッと我を戻し、わたしは、かろうじて、踏ん張った。
「あ、いや、めいをこれからもよろしくってね…
ねぇ、弥生さん………」
旦那さんは、さっきとはまるで別人の、柔和な笑顔を見せ、そう返す…
だが、そのメガネの奥は、冷たく逸れず…
「…え、あぁ、う、うん…そう…なの……」
わたしは…
そう、頷くしかなかった。
「もお二人でぇ、わたしを子供扱いしてぇ」
そんな明るさが…
逆に、わたしの心を更に、凍らせてくる。
「ほらぁ、アナタぁ、写真撮ってよぉ…」
「うん、本当、二人とも可愛いいなぁ」
「ねえ、弥生、ホント、可愛いいわねぇ」
「……ぁ……う、うん………」
背中に冷たいモノが、スーっと流れ…
わたしは、寒くて…
ううん…
怖くて…
指の震えが止まらないでいた………
わたしの脳裏には、めいの旦那さまの、あの…
逸れずに見つめてきた、冷たい目…
一瞬歪んだ、あの唇が…
消えない―――
「それに、たまに…似た香りも………」
「…………」
そう、呟いた時の、その冷たい目…
そして、含みを持たせた様な声音に…
わたしは、絶句し、小さく震えた。
「めいは……甘えん坊だし……それに…」
「ぇ……」
「耳のあたり……が…………ね…………」
「っ………」
一瞬、息が、止まった―――
「ま……これからも………
色々と…仲良くしてやってくださいね…」
「ぁ……」
その、意味に…
「もお、何話してるのよおっ…
ほらぁ、二人とも可愛いわよぉ……」
膝から崩れそうになった瞬間…
めいが、目の前の小さな背中の二人を指差し…
わたしの腕に絡ませてきた。
「……っあっ……」
そのめいの動きと声に…
ハッと我を戻し、わたしは、かろうじて、踏ん張った。
「あ、いや、めいをこれからもよろしくってね…
ねぇ、弥生さん………」
旦那さんは、さっきとはまるで別人の、柔和な笑顔を見せ、そう返す…
だが、そのメガネの奥は、冷たく逸れず…
「…え、あぁ、う、うん…そう…なの……」
わたしは…
そう、頷くしかなかった。
「もお二人でぇ、わたしを子供扱いしてぇ」
そんな明るさが…
逆に、わたしの心を更に、凍らせてくる。
「ほらぁ、アナタぁ、写真撮ってよぉ…」
「うん、本当、二人とも可愛いいなぁ」
「ねえ、弥生、ホント、可愛いいわねぇ」
「……ぁ……う、うん………」
背中に冷たいモノが、スーっと流れ…
わたしは、寒くて…
ううん…
怖くて…
指の震えが止まらないでいた………
わたしの脳裏には、めいの旦那さまの、あの…
逸れずに見つめてきた、冷たい目…
一瞬歪んだ、あの唇が…
消えない―――
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