テキストサイズ

【参加型小説】異界からの脱出

第4章 山内喜代 81歳 【1/2 20:55】

「手を出して、ノエルくん」

喜代はドロップ代をカウンターに置くと、ドロップの缶の蓋を開けてノエルの前に差し出した。

「えっ、いや、俺は……」

「いいから、いいから」

「でもハッカ味出たら嫌だし……」

「味しないんなら、何を食べても同じでしょ?」

「……っ! そうですね……じゃあ、いただきます」

喜代はニコッと笑って、ドロップの缶を傾けて振る。ノエルの手に転がったのはハッカ味だった。

「あっ……」

ノエルはハッカ味のドロップを口に運んだ。

「……味しないけどスースーする。でも、なんか気持ち、落ち着いたかも」

「ふふっ」

喜代とノエルは口の中の飴が溶けるまで、穏やかな時間を過ごした。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ