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夜這い

第10章 再現

話している最中も僕は妹を後ろから抱いていたが、妹を抱いている自分の手の位置が気になった。

左手はお腹の辺りを支えていたが、右手は胸に被さっていた。わざとじゃなく偶然に左胸を掴むような格好で…。

倒れそうになる身体を支えるには、この手の位置は理にかなってはいた。

今更手の位置を変えるのも変だと思い、妹の足が元に戻るまで、そのままの体勢を維持した。妹は、

「ありがとう!もう大丈夫!」

と言ったので、僕は、支えていた手をゆっくり緩めて手を離した。あれだけ長い時間胸を掴むように触っていたにも関わらず、妹はそのことには触れず、振り返ると、

「足のしびれは治ったわ!ありがとう!」

と言った。そして、畳に目を向けて

「あ!お兄ちゃん、忘れ物!これ、必要でしょ?」

と、笑顔で冗談ぽく言ったあと、小さなオモチャのライトを拾うと僕に手渡した。僕は、素直に冗談として受け止められず罪悪感を感じたが、微妙な笑顔で、

「そうだな!ありがとう!」

と言った。すると妹は、その雰囲気を察したのか、

「嫌だな〜!責めてるわけじゃないからね!私としては、事実がわかればいいだけなんだから…。じゃ〜、行こうよ!」

と言って、部屋を出て行こうとした。

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