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「あお最近数学頑張ってんだってな」

家に帰ってみんなでご飯を食べている時に、お父さんからそう言われた。

「うん、最近力入れて勉強してるんだ」

「誰かに教わってるの？」

お母さんにそう聞かれて焦ったけどうまく誤魔化す。

「ううん、いい参考書見つけてそれが結構自分に合ってて……」

「へぇ〜よかったな」

「うん！」

これで大丈夫かな。時々お兄ちゃんの視線を感じながらなんとか誤魔化せた。



次の日、まだかなまだかなと1日を長く感じて過ごしていたけど、やっと約束の時間になった。

数学教室に向かう途中、先生が先に歩いているのを見つけた。

「せんせっ！」

私は小走りで追いつき声をかける。