
paradise lost
第1章 overture
「苗字が変わっていた…堀井でも…谷口でもなかった」
「それってどういう?」
「玉木って全く知らない苗字になっていた」
芳樹は俺の疑問に腕を組んで考え込む。芳樹はマグカップを持っている俺が微かに震えている事に気付く。
「………その玉木って苗字に心当たりは?」
俺は無言で首を横に振った。歯を食い縛る俺に温和な笑みを向け、俺の隣に座る。
「そう悪い方向に考えるのは煌の悪い所だそ、いきなり煌と会って驚いているだけかもしれないだろ?」
過去の経験から何事も悪い方向に考える煌。芳樹はそんな煌を勇気付ける。
「でも俺はアイツを捨ててしまったし、恨まれて当然だろ」
俺はがっくり肩を落とした。芳樹は苦笑いしながら俺を抱き締めた。芳樹の逞しい身体に抱き締められた俺は確かな安心感を感じた。
「大丈夫だって、もしなんかあっても俺が煌を守ってあげるからさ…最初から諦めるなよ、煌」
俺は芳樹の優しい言葉に安心を得る。この養父はいつだって俺をこうして支えてくれる。何もかも独りで背負わないといけなかったあの頃とは違う。
「今日は煌の好物を作ってあげるから元気出せって」
大分持ち直したとはいえ、未だに暗い顔をしている俺を元気付けようとキッチンに向かった。俺は手伝いにキッチンに向かうが芳樹にキッチンから追い出される。
(……ソウ…)
ソウの事を想い出しただけで俺の心臓が早くなる。ソウと三年ぶりに再会して、少し…ほんの少し見ただけなのに、俺は一発でアイツがソウだと分かった。俺が未だにソウが好きだと嫌でも分かった。
(今でもドキドキしている)
俺は心臓のある方の胸に手を当てるとドキドキしているのが伝わる。目を閉じれば黒のブレザーに紺色のネクタイを着けているソウが思い浮かぶ。清廉潔白を体現したような清らかさのソウ、そんなソウを見て、俺は自分のモノにしたい、ソウを汚したい。あまりにキレイに、格好良く成長していたソウに俺は独占欲を拗らせていた。
(でも絶対モテそうだよな)
もし、俺が女なら間違いなく俺はソウに猛アタックしていたと断言出来るほど、今のソウは格好良い。自慢の弟が評価されるのは嬉しいが、どこか遠くに行ってしまいそうで、それが俺の不安を助長していた。
「それってどういう?」
「玉木って全く知らない苗字になっていた」
芳樹は俺の疑問に腕を組んで考え込む。芳樹はマグカップを持っている俺が微かに震えている事に気付く。
「………その玉木って苗字に心当たりは?」
俺は無言で首を横に振った。歯を食い縛る俺に温和な笑みを向け、俺の隣に座る。
「そう悪い方向に考えるのは煌の悪い所だそ、いきなり煌と会って驚いているだけかもしれないだろ?」
過去の経験から何事も悪い方向に考える煌。芳樹はそんな煌を勇気付ける。
「でも俺はアイツを捨ててしまったし、恨まれて当然だろ」
俺はがっくり肩を落とした。芳樹は苦笑いしながら俺を抱き締めた。芳樹の逞しい身体に抱き締められた俺は確かな安心感を感じた。
「大丈夫だって、もしなんかあっても俺が煌を守ってあげるからさ…最初から諦めるなよ、煌」
俺は芳樹の優しい言葉に安心を得る。この養父はいつだって俺をこうして支えてくれる。何もかも独りで背負わないといけなかったあの頃とは違う。
「今日は煌の好物を作ってあげるから元気出せって」
大分持ち直したとはいえ、未だに暗い顔をしている俺を元気付けようとキッチンに向かった。俺は手伝いにキッチンに向かうが芳樹にキッチンから追い出される。
(……ソウ…)
ソウの事を想い出しただけで俺の心臓が早くなる。ソウと三年ぶりに再会して、少し…ほんの少し見ただけなのに、俺は一発でアイツがソウだと分かった。俺が未だにソウが好きだと嫌でも分かった。
(今でもドキドキしている)
俺は心臓のある方の胸に手を当てるとドキドキしているのが伝わる。目を閉じれば黒のブレザーに紺色のネクタイを着けているソウが思い浮かぶ。清廉潔白を体現したような清らかさのソウ、そんなソウを見て、俺は自分のモノにしたい、ソウを汚したい。あまりにキレイに、格好良く成長していたソウに俺は独占欲を拗らせていた。
(でも絶対モテそうだよな)
もし、俺が女なら間違いなく俺はソウに猛アタックしていたと断言出来るほど、今のソウは格好良い。自慢の弟が評価されるのは嬉しいが、どこか遠くに行ってしまいそうで、それが俺の不安を助長していた。

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