
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
何がそんなに悲しいんだろう?
子供の俺にはわからない。
「こんばんは」
やがて、白衣を着た医師が病室に入ってきた。
手にはカルテを持っている。
「佐久良さん。少しお話が……」
メガネをかけた中年の医師は母さんを呼ぶと、そのまま母さんと病室を出て行った。
残されたのは父さんと、園田さんと悠喜だけ──
俺たちはボードゲームをして時間を潰した。
「あー!また負けたぁ!」
「ははっ、悠喜また負けたー」
「くそーめちゃくちゃ悔しい〜」
悠喜は人生ゲームでボロ負けした。

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