
ほしとたいようの診察室
第10章 陽はまた昇る
「今回も、抗がん剤治療のための入院。ただ……」
俺は、病室で健気に勉強する光くんの姿を思い浮かべながら、その先の言葉を慎重に選んだ。
「この抗がん剤が効かなかった場合、緩和ケアも考えていかなければならない、という段階かな」
「緩和ケア……ですか……」
元基先生の声が沈む。無理もない。
それはすなわち、苦しい治療から解放してあげられるが、その分終末期に差し掛かる、ということである。
来て早々ではあるが、これもひとつの現実であって……医師ともなれば覚悟しなくてはいけない場面もあった。

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