
ほしとたいようの診察室
第10章 陽はまた昇る
病棟の厨房は、院内のエレベーターを上がって、対になっている建物の端にある。
仕事が遅番のときは、食堂と病棟の2箇所で食事作りをするのだが、病棟の食事は食堂とは違って、ひとりひとり食事の形が違うので、ミスは患者さんの命に直接関わってくる。
昼間の胸のざわつきは、ここでおしまいにしなくてはならない。
エレベーターを待っている間、バックの中身を確認していた。
「あれ。……忘れて来たかな」
……荷物の中に水筒がないことに気づく。
食堂のキッチンに、忘れてきてしまったようだった。
明日は休み。
キッチンに水筒を置きっぱなしにして帰るのは躊躇われる。
面倒には思ったが、もう一度食堂に引き返すことにした。

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