
ひとつ屋根の下の愛情論
第11章 弟の成長と嫉妬
――――ガチャ…
と、玄関の鍵を開ける。
夜を向かい入れた空は…灰色の空間を黒く染めていく。
しかし、家には電気はついていない――――…
――――ザワッ…
と、心が逆立つ…
「帰って――――ない?」
ザワつく心が――――ギシギシと音を立てる…
が…
玄関には揃えられ置かれた秋音の靴があった。
「――――秋音…?」
帰って来ている?!――――ザワついていた心がスッと軽くなる!
しかし、電気は点いていないし気配も感じられない!
俺は靴を脱ぎ捨てると――――慌てて風呂場をみたり客間の俺の部屋を見たりした!
「秋音――――?秋音?」
しかし、そこには――――いない?
何処に行った?
ゾクッと背中に悪寒が走った…
「まさか――――…」
俺は恐る恐る…居間の扉を開けた…
すると――――…電気も点けず、あの日から座ろうとしなかったソファに座り…居眠りをしている秋音の姿を発見した。
「しゅ…ぅと?」
俺は…驚きのあまり――――…喉から出る変な声で秋音の名前を呼んだ。
「――――…」
なんて――――…綺麗な寝顔だ…
綺麗でエロくて…可愛い…俺の――――
――――――――弟。
