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第10章 当たり前を守る為


ユカちゃんも和くんが直ぐに来てくれるって言うから、二人で待ってた。

30分と掛からず来てくれたチカ。
和くんはその5分後に来た。

バイクを降りたチカ。

頭を撫でてくれたんだけど…

「……臭い」

智翔「…何?」

「チカ、変な匂いする」

智翔「…とりあえず、帰るぞ」

「…嫌だ。…何、この匂い」

佑加「…チエちゃん?」

「チカ…何で、女の匂いすんのっ?」

離れてユカちゃんにしがみ付いた。
溜め息を吐いたチカ。
腕を掴むチカ。

和「お待たせっ…って、どしたの?……あ、もしかしてっ」

佑加「和くん…何かあったの?チエちゃんが泣きそうなの」

急いで来たらしい和くん。
あたしの腕を離してくれないチカの眉間に皺が寄る。

和「チエちゃんっ!誤解だよっ!……チカは離せって振り払ったんだっ」

佑加「何それ、どう言う事っ?」

和「おじちゃんの娘だよっ!俺の従妹っ!……久し振りに帰って来ててさ。忘年会やってるとこに来たんだよ」

和くんは必死に説明してくれた。
社長さんの娘さんは離れた県の大学生。
年末近いから帰って来てたらしい。
忘年会に顔を出したら、チカをやけに気に入ってしまってベタベタくっ付いて離れなかったんだとか。
社長さんも結婚してるし、あたし以外興味ないんだって何度も言ってくれてた様だった。
それでもベタベタしてた所為で、その子の香水が移ったんだって和くんが教えてくれた。

智翔「…チエ」

「…ゥゥ…フゥ…チ、カ…」

智翔「だから、とりあえず帰るぞっつったんだよ。ほら、ちょっと我慢しろ。…帰るぞ?」

「…ん」

佑加「チエちゃん?…良かったね?またね?」

「ごめんね?ユカちゃん」

バイクの後ろに乗ったけど、やっぱりあたしの大好きなチカの匂いがしない。

いつもしがみ付く背中に、少しだけ距離を置いた。

マンションに帰ってまた頭を撫でたチカは、真っ直ぐ風呂場に向かう。
ソファで膝を抱えるあたしは、人の事言えた義理じゃないって、さっきの事を思い出して罪悪感が押し寄せた。

智翔「…チエ」

髪の濡れたチカ。
手を伸ばせば苦笑いして抱き締めてくれた。

「…ごめんなさい…チカ」

智翔「いや。…チエは悪くねぇよ」

「…ゥゥ…チカ…好き?」

智翔「フッ(笑)愛してる」

パンツ一枚のチカ。
泣きそうなあたしをギュッと抱き締めてくれてた。

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