Restart
第9章 平穏な日々を…
婆ちゃんが死んで1ヶ月以上。
初めこそ、チエは抱こうとする度に震えてたけど。
今はかなり落ち着いてきてる。
笑う事も増えた。
時々、夜中に魘され泣く事があるチエ。
毎晩じゃないだけまだマシだった。
知恵「…チカ」
夕飯を終えた後、ビールを飲む俺を、キッチンで洗い物しながら呼んだ。
『んー?』って返したけど、続きはなく。
「…どした?」
知恵「…ん」
「チエ。……おいで?」
数秒悩み、手を拭き近付いてくる。
隣に座って抱き付いたチエを抱き締めた。
「…どした?」
知恵「あの、ね?……バイト。辞めても、いい?」
「別に、それは全然いいけど……何かあったのか?」
知恵「…」
「チエ」
知恵「…お母さん」
「お母さん?…チエの?」
知恵「…うん。……来たの、スーパーに」
そう言ったチエの腕に力が加わる。
ただ会いに来ただけかと思ったけど、先に連絡するなと言ったのは向こう。
何となく嫌な予感が過った。
知恵「何回も…来て、ね?……お金、頂戴って、言うの」
「…」
知恵「だから、余分なお金なんかないって。あたしだって、裕福じゃないんだって」
来る度に断ってたらしい。
昨日初めて来たと言う。
それは本当に会いに来ただけだと言ってたらしいけど、恐らく居るかを確認しに来たんだろうとチエが言った。
知恵「今日…お金の事、言われて…帰っては一時間くらい経ってまた、来て…」
「…何回も?」
知恵「うん」
「そっか。…いいよ、辞めな?」
知恵「ごめん…」
「そりゃ確かに俺も給料高くはねぇけど。二人の生活費くらい、大丈夫だろ?」
知恵「…ん」
「…キツいか?」
知恵「そんな事ないっ…ただ、ね?チカだけに、働いてもらうのが、申し訳ない、なぁって」
本当にこいつは…
頬に手を添え真っ直ぐ見つめる。
「男が嫁さん養うのは当たり前の話だ。世間は知らねぇ。けど俺はそう思ってるしそうしたい。…キツいなら、その時考える。チエが他にバイトしたいとこ見つかれば、またバイトすりゃいい。…な♪?」
知恵「…うん…ありがとうチカ……大好き」
「俺は愛してるよ♪」
いつだってこうして向かい合いちゃんと話し合ってきた。
チエが隠し事が嫌だって言うから尚更。
まぁ、隠す様な事が何一つねぇんだけど(笑)
額にキスをしたら、やっとチエが笑った。
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