Restart
第8章 新たな生活
震えるチエが腕の中でただただ『ごめんなさい』と繰り返してた。
男女一人ずつの警官が来た。
警官「君たちか?」
『違うっ!!俺は何にもしてないっ!!こいつがっ!!』
『お前がヤれっつったんだろっ!!ふざけんなよっ!!』
警官「いいから来なさいっ!」
婦女暴行罪の容疑で二人は逮捕。
ワラワラ集まってきた叔母さんたちが叫んでる。
女警官「怖かったでしょ?もう大丈夫よ?…怪我は?」
首を振ったチエだけど、頬と手首が赤くなってる。
女警官「…貴方は?」
「夫です」
女警官「こんな日に…可哀相に…お話出来そう?…終わってからにする?」
知恵「…送り、届けたい、です」
チエはこんな状態でも婆ちゃんをちゃんと最後まで送り届けたいと言った。
泣いてるお袋と姉貴に抱き締められるチエ。
どうしていつもいつもチエばかりが…
そんなやり場のない怒りが込み上げた。
その後、全部終えてから改めて警察に行った。
トイレから出てきたチエを、あいつらは引っ張り付け控え室に押し込んだと言う。
俺のこれまでを知ってるらしいあいつら。
『どうせあいつの女だ。誰にでも股開くだろ(笑)』と。
暴れるチエを無理矢理押さえ付けたらしい。
女警官「じゃあ、暴れた事で叩かれた?」
知恵「…はい」
女警官「手首は?押さえ付けたから?」
知恵「…分かりません……たぶん、そう、かと」
『酷い…こんなに細いのに…』と警官が呟いた。
人より細身のチエ。
暴れたって敵う筈なんかねぇ。
女警官「ご主人は、手出さなかった?」
知恵「出してませんっ!チカはっ!チカは、何にもしてない…」
女警官「大丈夫よ?聞いただけ。大丈夫だから安心して?」
「俺は何もしてません。胸ぐら掴んだだけで、止められました」
女警官「…彼女に?」
「えぇ。過去に、刑務所入ってたんで。もう二度と嫌だと…止められました」
女警官「そう。よく、止められたわね?…それだけ大切って事よね♪」
泣き出したチエの手を掴み握った。
一時間ほど事情を聞かれ家に帰った。
母「チエちゃんっ!…あぁ…可哀相に…怖かったでしょ…」
玄関を開けたらお袋が走ってきてチエを抱き締めた。
やっぱり『ごめんなさい』と繰り返す。
リビングでコーヒーを出され、未だ震える手で、カップを持つのもやっとだった。
マジでぶっ殺してぇ…
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