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Living with Simone アイツと暮らせば

第15章 あいつの過去

「そんな荒れた生活してて、辛く無かったのかな。」

ミカはふと思った。

「ミカは苦労した事が無いから言えんだよ。今日食べるものが無いとか、泊まる場所が無いとか、そんな経験した事が無いでしょ?里親や施設に入っても、やなヤツに学校で虐められて、家でもぶん殴られて」

アレックスの表情がとても冷たい。
そんな顔を見たのは初めてだった。

「誰も信用出来ないのに”まともな生活してる振り"を強要される…ってきっついよ。必死で我慢しないと、アイツみたいに場所を転々とする羽目になる。」

…アレックスの過去にも何かあったのかも?

「あいつの親戚は?兄弟は居ないの?」

「一人っ子な筈だよ。親戚は、アイツがちょっと名が知れるようになったら突然現れた。シモーネの金目当てだよね。だって母親が死んだ時に、普通なら名乗り出る筈でしょ?」

…確かに。

「今まで誰とも人間関係結べてなかったのかもな。」

アレックスがしみじみと言った。

「だから、ミカと住んでるって聞いた時、マジで驚いたんだから!」

「しかも女嫌いなアイツが女とだよ?」

アレックスもアルも声を出して笑った。

「そこそこお堅い仕事してる君が、
なんであんな奴と一緒にいるのか,
みんな不思議なんだよ。」

彼氏どころか本当の友人すらいないって…どんだけクズなんだって話。

「別に一緒に居たくないけど、
いざって時に何回か助けてくれた恩があるからだよ。」

そうだ面倒臭いし、迷惑だけど、
それでも危機一髪な時には
なんと無くアイツがいた。

「シモーネも君とおんなじじゃないのかな?
拒絶されなかった人が初めてだったんじゃ無い?」

…いやいや拒絶してますよ。かなり激しく。

「女にコテンパンにやられたのもミカが初体験だっただろうし。」

…初体験言うな。

「いや普通はそこまでされて、一緒に居ないだろ?やっぱさ君はシモーネにしたら何処かが特別なんだよ。」

「やめて!やめて!彼氏まで寝取っておいて、
特別とかやめて。」

「だってさ、普通なら完全に拒否でしょ?君はそれをしなかったから。」

…いやいやいや。全力でしたさ!

やっぱ自分の行動がいけなかったのかと激しく反省。

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