
ドSメイドは基本普通の子
第19章 バレンタインの甘い罠
情けなくて…涙がボロボロと溢れてくる…
「…か…帰りたいのに――――…」
すると、コンコンとスタッフルームのドアを誰かがノックしている。
「――――はぃ…」
ヤバい――――風邪を写すかも!
とっさに顔を隠すと…ゆっくりと扉が開いた。
「美羽さん?大丈夫ですか――――…タクシーを呼びました。帰れますか?」
店長が私の体調不良を察して…タクシーを呼んでくれた!
「///て…店長…」
涙声に慌てたのか、店長が勢いよく部屋に入ってきた!
「///美羽さん――――って!おぉ!///裸足?シャツ!?」
ソファに横になる私を見て店長は大慌て…
――――すみません…変な格好で…熱くて…
風邪がどんどん悪化してきて――――…タクシー助かりました。すみません、早退します。
「そ、それはいいんだけど――――立てますか?」
力なく私は頭を横に振る。
「では、タクシーまで支えましょう…着替えはいいで――――…その上にコートを羽織れば大丈夫でしょう。
ロッカー失礼します」
そう言うと、ロッカーから荷物とコートを出してくれ…私を支えながら店を出た。
