
硝子の指輪
第3章 劣情と苛立ち
ガチャン。
考える暇もなく気づけばあの場所に着いていた。ダブルベッドが目立つ大きめの部屋。
「橋田ちゃん、こっち」
「あっ!シャワー浴びなきゃっ!」
と言って少し心の準備をしようとしたら案の定引き止められた。
「シャワーなんか浴びなくてもいいよ」
「いや、私が無理なんで…」
「いいって言ってるだろ?」
チュッと軽いキスが頬に落ちる。
「……っ」
いつもの先輩じゃない…!!頬が熱くて、目の前に好きな人…。何も考えられないよ。
「っ先輩…今日おかしいですよ…」
「橋田ちゃん、俺のこと好きなのにそんなこと言うの?」
「それは…」
好きだから、一つ一つの事をゆっくりとしていきたいんだよ。って心の言葉だ。
