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好き心少なからず

第10章 想いを込めて~宇野一朝の場合~

ん?

少しだけわざとらしいような言い方をして、 入江は俺から離れていった。

また避けられた?

いつもなら苦笑いをうかべるところなのに。

さっきの、英嗣とのやり取りを思い出して、胸の中にモヤモヤが溜まっていく。

チクショー!!負けねぇぞ!!

胸を拳で1回叩くと、小麦粉を量っている入江に近付いた。

「手伝ってやろうか?」

声をかけると、入江は驚いた顔で振り返った。

「え!?いいよ!!大丈夫!」

なかなか頑なな入江を宥めて、何とか手伝いを了承させた。

「じゃあ目盛り見てて。入れてくから」

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