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好き心少なからず

第10章 想いを込めて~宇野一朝の場合~

調理台の引き出しを適当に開けて見ていく。

お、泡立て器、発見。

ゴムべらは…っと。

「英嗣、これでいい?」

隣の引き出しでゴムべらを見つけて顔を上げると、英嗣が入江を見ていて。

入江がそれに気付き、首を傾けて笑う。

すると、途端に英嗣が顔を背けた。

何だぁ!?

「英嗣!?」

「へっ!?」

慌てたように俺を見た英嗣は…

おい!!何で顔を赤くしてんだよ!!

「これでいいのか!?」

ゴムべらを掲げて見せると、英嗣はやっといつもの調子を取り戻したようで

「あ、うん。じゃあ、ざっと洗って」

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