
TIME is MONEY
第5章 scene Ⅴ
「なんだよ、いきなり…っ」
思わずつんのめりそうになったじゃねぇか!
「んー、なんか無性に触りたくなった」
そう言って俺に巻き付く手に力を込めるから
ああ、疲れた時にやたらムラムラするってやつか
……って思ってからすぐに考え直す
疲れてなくたって、こいつには関係ない
たまたまそんな気分になった感じなんだろう
…なんて考えながら、纏わりつく雅紀を放って金額を確かめて
「歩きにくい、離せ」
腰をがっちりと抱き締める雅紀の手を叩いてみせた
「このまま歩けるでしょ」
…何だ今日は
甘えてんのか分かんないけど、いつもに増しておかしい
何したって離しそうにないから、仕方なく纏わりつかせたまま
よちよち歩きみたいになりながら奥に進んだ
「あれー?何かやってた?」
開いたままのパソコンを目敏く見つけた雅紀
「欲しい本を探してたんだよ」
突っ込まれる前に適当に答えて、腰に雅紀をぶら下げた状態でパソコンの前に行って、それを閉じた
「ほら、コーヒーくらい淹れてやるから離せって」
「えー、んー、…分かった」
渋々だけど、漸く俺を解放したよ雅紀は
さっきまで翔が座ってたそこに腰を降ろした
