
その男、溺愛注意報。
第4章 変化
相変わらずブレない那美
簡単に心を許さない。
そういうとこも
好きだけど。
「あっ!見て!」
俺は窓を指さす。
「え?」
那美が窓を見た隙に
那美のグレーのカーディガンの
ポケットから携帯を引き抜いた。
画面を開く。
ロックがかかっていた。
試しに
那美の誕生日を
入れてみると……
あ、開いた。
まさかこんな
上手くいくなんて(笑)
「先輩、何もないですよ?
って、それわたしの携帯!!」
やっと俺がしていることに
気づいた那美が慌てて
俺の手から携帯を
ひったくった。
「最低!何勝手に取ってるんですか!!」
キッと俺を睨む那美。
