
その男、溺愛注意報。
第3章 彼女
「もう終わったよ?」
「えっ、嘘…!?」
本当に、終わったことに
気づいてなかったみたい。
那美のクラスの
男子の実行委員だって
もう帰ってるのに
それでいて気づかないとか
「ばか?笑」
そう言ってクスッと笑うと
あからさまに嫌な顔をされた。
ギュッと寄った眉間の皺を
ツンと指先でつついた。
「ここ、皺になるよ?」
「……触んないでください。」
俺の指を避けるように
顔を背けた那美に
クスクスと笑った。
ーガタンっ
「帰ります。」
勢いよく立って
キッと俺を睨みながら
生徒会室を出て行った那美。
相変わらず
ガード固い
そこがおもしろいんだけどね。
