
その男、溺愛注意報。
第3章 彼女
「俺、恋してないから」
ため息混じりに
そう吐き出した。
「那美の反応が新鮮だからからかってるだけだよ」
あの子の俺に対する
嫌悪と拒絶ははんぱないからね
「ほかの女の子と違うから、面白くて気に入ってるのは本当たけど…」
ただ、それだけで。
恋とかそういう類の
ものじゃない
そもそも俺が恋とか愛とか
想像つかないし、
それに……
「それに、那美彼氏いるから」
「「「 えっ 」」」
サラッと述べた事実に
3人は目を見開いて驚いた。
「彼氏持ち好きになるとか、ありえない」
俺が浮気とかそういうのを
毛嫌いしていることを
知っている3人は、
俺の言葉に
確かにな、と頷いて
やっと恋じゃないと
納得してくれたみたい。
